2009年5月10日日曜日

愛しきミルよ


 ミル 
 ミルよ この春ミルに起きてほしくない症状が発生した
 神に守って貰いたかった 唯一無二の右の眼が
見えなくなってしまった
 独眼流で耐えながら 体調を戻していたのに
 軽快なフットワークで 毎日散歩できていたのに
 ソファに軽々駆け上がり 身を翻し飛び降りていたのに
 朝晩の食事とお昼のオヤツ以外 今はほとんど動かなくなってしまった
 あとはほとんど寝てばかり
 たまに散歩に連れて出ても 下半身が警戒心で固まるよな
 そんなミルのそばに ずっと寄り添って居てやりたい
 杖の代わりもしてやりたい でも今は以前の半分もそばにいてやれん
 たまに帰っても 俺の声だとわかるな
 しっぽ振ってくれとるもんな
 夢も見てるな
 その時は画像が見えとんやろ?
 あ 見えた 眼がまたみえるようになった と思って目覚めて眼開けても やっぱり何にも見えん 
 なんで? どうして? と思うわな
 そう思うとな 泣けて泣けて 可哀相で涙が止まらへん
 そんなミルに今してやれることは せめて一緒に居るときに 抱きしめて なでながら話しかけることぐらい
 散歩行くときは できるだけ俺の足元に引っ付いて感覚で歩いてよ その耳と鼻でな
 なんかあったら 吠えたり唸ったり泣いたりせえ アピールせえ 長い付き合いや皆気配感じるから
 愛しきミルよ おとなしいミルよ それがかえって切ないよ
 何にもしてやれんから つらいよ 悲しいよ くやしいよ

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